人生の転機を信じた旅⑤

この日、メンターは

「今日はあなたたちにたくさん喋ってもらう必要があるそうです。なのでわたしはあまり話さない時間にしたいと思います」

と告げていた。

そして
「今日得た気づきやヒントは何かありましたか」

と聞いてきた。

一人一人がその日感じた事や
出来事、気づき、伝えたい事などを時計回りで語る。

10人もいるのであっという間に時間が20分、30分と過ぎていく。
全員の報告が終わったところで、

「もう1週お願いします」

と言われた。慌ててみんな2度目の感想を語り始める。

2週目も各々、感じた事をシェアし終えた時には既に1時間程がたっていた。
そしてメンターは

「はい、もう1週」

そう告げられ一瞬わたしは硬直した。

(やべーなに話そう)


それが本音であった。

全員の話しが3周目を終えるころ、時間は既に日付を跨ごうとしていた。

そして最後の1人が語り終えたのち、
メンターは口を開き、こう言った。

「魂レベルで誰一人話してない。あなたたちはそんなんで人の心を動かせると思ってるんですか?」

メンターの言葉は更に続く。


「魂レベルで話せていた人は誰もいない。
みんなうわべだけです。

今の話しの中で、感動して救われた!とかやる気になった!って思えるような、
涙を流せして感謝したくなるような話しをした人はいましたか?

誰もいませんでしたよ。

けどそんなんじゃ人の心なんて動かせるわけがないですよ」

空間が張り詰め、緩やかな雰囲気が一転して緊張状態へと変化した。
メンターの顔は逆光で表情が一切見えない。
暗闇のシルエットから、声は次の言葉を紡ぎだした。

「もっと魂レベルで話しきゃだめですよ。

生きている間に、ある日突然
『あなたはがんでステージⅣです。余命は3ヶ月から半年ですね』
と告げられた人がもし相談に来たとして、今みたいなレベルであなたたちはその人の心を救えるんですか?

早く魂レベルで語ってくださいよ。
人一人の人生を変えられるくらい、シルバーバーチ的な生き方をしてくださいよ。

自分じゃ相手に出来ない相談者さんが来たら
わたしに任せればいいって、そう思ってるんですか?

そんなの絶対やめてください。
早く魂レベルで語れる人間になってください。

人を導く存在にならなきゃだめです。

私の所に来てくれていた相談者さんや生徒さんで
亡くなった方はこれまでに何人もいます。

病気で亡くなった方もいるし交通事故の方もいます。

つい最近も末期がんが発覚した人がいます。
病院で2回、ステージⅣと診断されました。

それを言われた本人は生きた心地がしませんよね。
絶望しかないです。地獄ですよ。

ステージⅣなので緊急で次の検査の手配が進みましたけど、
それでも2週間後にならないと出来ないと言われました。

その間、わたしはその人と毎日、話しました。
相手はもちろんずっと泣いていたし、
わたしもたくさん泣きました。

遺される人は、嘘でもいいから本人の口から
「先生、わたし死ぬのはもう怖くないよ」
っていう言葉を聞きたいんです。

早く楽になって欲しいんです。
死に直面した人でも、はやくそういう気持ちになれるよう、
導くことがシルバーバーチ霊のしてきたことでしょう。

人を導かなきゃだめなんです。
魂レベルで話せる人に早くなってください。

・・・・そしてこの話しには一応オチもあります。
その方は2週間後病院で本格的な検査を受けましたが
ステージⅡになっていました。

転移が消えて元の腫瘍も小さくなっていました。

病気が発覚する前に、保険にもしっかり入らないといけませんよと
いつもメッセージを送っていたので、お金も困る事はありませんでした。

ちょうど去年、わたしがすすめたがん保険に新しく2つ入っていたんです。
それだけでも心はだいぶ救われたはずです。

これから1年以上かけて治療する必要がありますけど、
保険を掛けた生き方をすれば、何かあっても
過去の自分に救われるんです。

魂レベルで鑑定していかなきゃだめです。

うわべだけではなく、シルバーバーチの本を毎日読んで
更に研究をして、人の心を変えられるようになってください

もし自分突然余命3ヶ月になっても、
絶望しない心をつくってください。
普通が当たり前なんて思わない事です。

わたしはこの出来事を通して、
がんには本当に感謝してます。
これは神様だと思いました。

がんの神様です。

人と人の絆を強くしてくれました。
生きる喜びも教えてくれました。

感謝することを心から味わわさせてもらえました

この経験を通して、
20分であなたの人生を変えられます』
と言い切る事ができるようになりました。

本当に感謝しかありません」


私はその話しを聞きながら、
Tシャツがビシャビシャになるくらい
大粒の涙が滝のように流れ続けていた。

今まで、あまりにも多くの事に対して
「分かった気になっていた」
のかを思い知らされたエピソードだった。

もちろん相談者さんはいる。
でも、自分は先生のように

「人の人生を変える」

ような鑑定をしているのか?
そう思うと、自信を持ってYESとは言えなかった。

プロ意識は当然持って挑んできた。
いつも真面目に取り組んできた自負もある。
だけど先生ほどの「魂レベルで語る」には到達していなかったと思い知った。

今目の前に死が迫っている人に対して、何が出来るのか?
そこまで鑑定ができる状態に心をコントロール出来るのだろうか?

もし今、自分が末期がんだと言い渡されたら、きっと泣くと思う。

人の励ましなしに、光を見つけることはできないかもしれない。

つまり、自分はまだまだ全然わかってないっていうこと、悟れていないという明らかな事実を思い知らされたのだ。

その時その場の空気は、明らかに今までと違って
全員が何かしらの<決意>をした事が感じられた。

そしてメンターが仰ぐ通りに、
「魂レベル」で語りだした。

.

最後にわたしの番がやってきた。
その時も相変わらず涙を流し続けたまま、
わたしは全員の顔をみて宣言した。


「今までの自分の生き方を、これほど恥じたのは初めてです。

人間界の通常の自分は、あまりにもレベルが低すぎる。
人と比べて劣等感を覚えている時点で、
使命を全うすることなんて出来ない。

なんて愚かだったんだと、本気で昨日までの自分を悔やんでいます。

だからじぶんは必ず変わります。
ハワイに来る前までの私は、一度死にました。

生まれ変わってやり直すような気持ちで
今この瞬間から変わります。

それくらいの強い気持ちで今、宣言しています。
明日も1日過ごす中で「この人変わったな」と全員に
認められるような生き方をする」


初日は己の弱さが勝手に創り出した
劣等感によって、ディナーの席で大号泣し

2日目はメンターの引き続く塩対応に心がやられ
ハワイに来てからずっと泣いてばかりで、
暗闇に満ちた時間だった。

しかし、メンターからこの時、涙ながらに聞かされた
「魂レベルの話し」によって、わたしは
全員の前で恥ずかしいくらいの熱い誓いを口にするほど、
大きな決意を胸に宿していた。

たこやきちゃんは、参加したメンバーひとりひとりに

「初日からいろいろ迷惑かけちゃってごめんね。
そして一緒に学ばさせていただけて本当に感謝しています!

ありがとう!!」

と挨拶をした。すると、信じられないような返事がきた。

「たこやきちゃん、がんばりやさんだからああなっちゃったんだろうなって思ったよ。
たこやきちゃん、大好きだよ^^」

一人だけじゃない。

みんなそう言ってくれたのだ。

そして、私の心の中には…闇の中には、一筋の光が差し込んできたのだ。

今更ながら改めて思う事がある。
メンターに出会えてよかった。
教わって良かったと本当に思った。

他の生徒達も然り、相談者さん然り
多くの人の人生を確実に変えてきている人だ。

そんな人に出会えた事は、わたしの人生の中でとびきりの
ボーナスだったんだろう。

そして、そこに集まった人たちとも出会えて本当に良かった。
感謝しかない。

まるで仏様みたいに人と接することが出来るレベルの人達と、
本当だったら仲間と言い合えるのにわたしは今までずっと無視してた。

ごめんなさい、ありがとう。
これからもよろしくね。

メンターに、仲間に、相談者さんに出会えたことは
全て見えいない存在に導いて頂けているからこそだ。

ありがとう、守護霊様
ありがとう、ご先祖様。
ありがとう、霊界にいるわたし。
ありがとう、先生。
ありがとう、みんな。

今度は、これからは、わたしもそうなる番。

誰かにとってのたこやきちゃんとして役立てるよう
より一層、世のため人のために自分の命を捧げるしかないんだ。

そうなる。そうなろう。それを目指していこう。

.
そんな気持ちで部屋に戻り、お風呂に入った時は、
まるで産湯につかっているかのような気持ちになった。

ついさっき生まれてきたばかりで、まだ真っ白。
まだカラッポの状態。
温かいお湯に包まれて見えない存在に守られている感覚。

わたしもメンターのように、本気で
人の人生を変える事が出来る鑑定をするミディアムになるんだ。

沐浴の中、何度もなんどもそう思った。

一生半人前でいい、一生かけて成長し続ける。
心は光に満ちていた。

そして…たこやきちゃん、これってもしやハワイ生まれってことかしら?
(ひゃだっ!かっこいい…!)

そんなバカなことも考えながら、ただただひたすらに
感謝し、祈った。

どんなに絶望の底にいたとしても、光さえあれば
命はそこを目指して上を向いて伸びていく事が出来る。

暗闇からのスタートだったハワイ旅だったけど、
差し込んだ光は希望に満ちていた。

自分らしさを求めて生きる必要なんてない。

生きてるだけでもう十分自分らしさは出ているから。

自分らしく生きるのは、霊界に帰ってからすればいい。

今は、今しか出来ないことをすればいいんだ。
自分らしさとか自分のやりたいこととかを追い求めると
我がでるから、もうそんなのどうでもいいことにしよう。

霊界の道具となろう。

そう決意して、人生の転機を本気で信じる旅となった。


▲決意した時の深夜のメモ


令和元年5月。
たこやきちゃんReborn°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

このシリーズ、めっちゃ長いなかお読み頂きありがとうございました。

あと知り合いからも「ブログ見たら記事全部消えてて、今投稿されてる記事読んだらめっちゃネガティブなことばっかりだったけどどうした!?」っていうコメントをいただきました。笑

その時に

「あー、読む人からみたらめっちゃネガティブなのか」「自分は(今はそうじゃないから)ネガティブなこと言ってるつもりはなかったんだけど」

とすぐ思って『これだ!!!!!』と気づきました。

言われたことをすぐ否定する、と指摘されてきたことは自分の中では「今はそうじゃないから、そういうつもりはない」っていう思いが強すぎていたせいで出てきていた弊害だったんです。

つまり、全部言わなくても自分のことはみんなわかってくれるに決まってる

といった傲慢さです。反省。

コテンパンにフルボッコな上の塩対応されてきましたが(愛のあるね)、
そのおかげで闇に光が射したのはいうまでもありません。

なんか一度ディスられキャラになるとそれが定着しちゃう気がするのだけど、、

出川哲朗さんのように
いつか愛される日が来るまで、腐らず進み続けます。

LINEなどで、ここに感想をくれたお友達、相談者さん、皆様本当にありがとうございます(*^^*)

こんなに最後の最後まで、読んで頂き更に感謝です。

ありがとうございます×一〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

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